寒かった冬も去り、谷川連峰に抱かれた「みなかみの里」にも、桜の便りが聞こえる季節を迎えました。本日は、第3回みなかみ町成人式の御案内を申し上げたところ、小野里県議を始め大勢のご来賓のご出席を賜わり、新成人の晴れの門出をお祝いできる事は、この上ない喜びであり厚く御礼申し上げます。
輝かしい298名成人者の皆さん。ご成人誠におめでとう御座います。心からお祝い申し上げます。
また、吾が子の成長を願い、蔭になり日向になって慈しまれたご両親・ご家族皆さんのお喜びは如何ばかりかと拝察し、重ねてお祝い申し上げます。
さて、成人となられた皆さんは、法律的にも国家の一員として貴重な権利と義務を与えられました。皆さんの中には、既に社会人として実社会で活躍されている方もあれば、勉学に専念されている方もおります。いずれにしても、民主主義の基盤である選挙権を得て、将来への夢を抱き、大きな希望に燃えている事と思います。
これからは選挙権を行使したり、国や地方の政治や行政に参画する事になります。そこで、民主主義の実態と、私のつたない考えの一端を述べたいと思います。
日本の民主主義は戦後60有余年、人間に例えれば還暦を過ぎ、幾多の紆余曲折を経て今日に至っております。
民主主義の基本は、主権在民、基本的人権の尊重であり、その政治原理は多数決であります。
今日までは、この原理で主権者の意思を決める「議会制民主主義」に、何ら疑問を持たずにきました。しかし、眼前の国会は、その役割を果たしているでしょうか。
それは政争にかまける与野党の現実であり、一歩外は火事なのに、酒場で口角泡を飛ばし議論する酔客のようです。法案審議を一ヶ月間も放棄し、ガソリン代が下がる、下げないと国家の一大事にして、煽りたてる政治に国民は憤りすら感じます。民主主義も一歩誤れば、「船頭多くし舟山に登る」という衆愚政治になってしまうのかと残念に思う次第です。
今や主権者である国民は、円高・株安等による経済不安や地方財政の窮状を訴え、更には膨大な国の借金を後世に残さない施策と、年金・医療を始めとする社会保障制度の充実を求めています。それだけに、国会議員は政局にらみでなく、謙虚に国民の声に耳を傾けて、与野党が同一テーブルに着いて議論し、福祉国家建設の機構改革と税制等について、その道標を国民に示すべきであります。
私の尊敬する歴史上の人物は、「為せばなる」を唱えた、米沢藩主・上杉鷹山であります。
鷹山公は「一汁一菜」を掲げて、破綻した藩財政を再建したことで知られています。民衆を愛し、民衆のために政治を行った名君でした。その手法は「自助・互助」の精神を尊び、藩の「扶助」と合わせた「三助」の力で藩財政を再建し、豊かで美しい国づくりを実現しました。
そして、鷹山公が取り組んだ改革は、後世に広く語り継がれ、その遺業である産業と文化は米沢地方に脈々と生き続けています。鷹山公の手法は、先ずは住民自らが行い、お互いが助け合う、その取り組みに対して行政が支援する事の大切さを教えております。
最近の日本は、何か民主主義を履き違えて「扶助」のみに頼る傾向が強いと言われますが、我が町は「自助・互助・扶助」の精神で行財政改革と地場産業の振興を進め、「夢のある町づくり」を目指しております。併せて、その力で政治改革の大きなうねりを起し、国には大胆に構造改革を求めていく考えであります。
成人者の皆さん!! 是非とも若い皆さんのエネルギッシュな力を貸して下さい。私達は皆さんが「地方の時代」の主人役として、活躍される事を期待しています。
新生「みなかみ町」は、名だたる峻嶺谷川岳をバックに、環境の時代をリードする自然豊かな「利根川源流の町」であります。そこには若山牧水・与謝野晶子等の文人墨客が素晴らしい作品を残し、各地域には豊富な温泉が湧出しています。公共交通機関は上越新幹線、関越高速道路の高速交通網体系が確立されています。また財政上からは、地方税等が40億円あり、これに地方交付税等を加えた一般財源は88億円以上になります。しかし、「財政健全化法」の制定に伴い経常経費の削減が急務であり、昨年は「改革元年」と位置付けて、改革の指針である「行財政改革行動指針」を策定したところです。
今後は「先送りの悲劇」にならないように、今なすべき改革はしっかり行ってまいります。そして、安定した財政基盤を築き、「利根川源流の町」としての存在感・価値観を訴えながら、「夢のある町づくり」を実現したいと思います。更には企業誘致を盛んにして雇用の拡大を図り、教育・福祉、少子化対策等にもしっかり取り組む決意であります。
成人者の皆さん!! 是非とも「夢のある町づくり」に参加して下さい。そして、故郷みなかみ町の発展に、共に汗を掻きたいものです。よろしくお願い致します。
本日は、東京大学大学院教授深代千之先生が、「故郷から日本・そして世界へ」と題して、記念講演を行って下さいます。先生はみなかみ町須川・たくみの里のご出身です。新治中学校、沼田高校、群馬大学、更には東京大学に学び、現在は同大学院教授として活躍されており、私たち町民の誇りであります。素晴らしいお話しが聞けると思います。楽しみにしていて下さい。
結びにあたり、成人者の皆さんには、何物にも変え難いたい尊い未来があります。本日の成人式を契機に、これからの人生を責任と誇りを持って前進し、明日の日本と、みなかみ町を担う原動力になって下さい。
洋々たる前途に幸多き事を念じ、式辞といたします。














