みなかみ町長 鈴木和雄
この風景は、私達が時代の変革を捉えて、焦らず根気よく町づくりに取り組むことを促しているようです。
町章、町の花など決まる
新生「みなかみ町」は、財政悪化など厳しい環境の下でスタートしましが、町民皆さんのご理解とご協力で、三度目の予算を編成する事ができました。併せて「第一次みなかみ町総合計画」や「まちづくり基本条例」も制定され、みなかみ町の進む方向がようやく決まりました。また別添のように町章、町の花、町の木、町の鳥も決まりました。
一方、時代の流れが中央集権から地方分権の創造に向かう中で、市町村(地方政府)は自己決定・自己責任・自己負担が求められ、町づくりの前途は容易ではありません。従って、町政に責任を持つ者は発想を転換して、町民の幸せと「夢のある町づくり」を念頭に、時世を的確に掴むよう心掛けなければなりません。更には、地場産業を活性化して自主財源を増やし、自治愛郷の精神で少子化対策を進めるなど、将来を見据えた施策や基盤づくりが肝要であります。そして、常にプラス思考で「自助・互助・扶助」の精神で事にあたれば、進むべき道は自ずと開けるものと確信します。
日本共産党「みなかみ民報」の真意
私達が今、夢と希望を掲げて町づくりができるのは、何と言っても旧月夜野町・水上町・新治村の住民の叡智と決断によって、町村合併に成功したからであります。
本当に良かったと実感しています。
過日、日本共産党みなかみ町委員会発行の「みなかみ民報」を拝見しました。「合併して悪くなったことばかり」の大きな見出しで、相変わらず独善的な批判が書かれていました。
国は財政再建から構造改革を進め、その一つに「合併特例法」を制定して市町村合併を推進したが、日本共産党は反対でした。
私はかねがね、議会は議決機関であると同時に、政策集団であると言ってきました。この事は二人以上の議員(議員定数の1/12)がいれば提案権も修正権もあり、これによって自分達の意見を議会に反映することができます。そして、過半数の賛同者を得る努力をしてこそ、議員としての職責を果す事ができるのです。しかし、現実はどうでしょうか。反対はするが、過半数の賛同者を得て自分達の考えを実現する努力は見えず、3月定例議会では議員の使命である討論さえも放棄して、ただ反対の意思表示には驚きました。私は何の理由で反対されたのか分からず、その政治姿勢を疑いました。
今回の「みなかみ民報」を見て思うことは、真実の情報を記述して欲しいという事であります。併せて、主義主張から町村合併が反対なら、その立場でどのようにして住民福祉の向上と町の発展を図るのか、その考えを明らかにする責任があります。
何故ならば、それをしなければ揚げ足取りのような批判のみに終始してしまい、「夢のある町づくり」の議論ができないからであります。
国の財政は危機的状況に
さて、地方自治体を取り巻く環境は、莫大な借金を抱える国家財政、急速に進む少子高齢化社会、更には本格的な地方分権時代の到来などにより大きく変化してきました。国債残高は、平成19年度末で国税収入の10年分に相当する547兆円と言われ、我が国の財政は危機的な状況にあります。このため、国はなりふり構わず歳出削減に取り組み、ここ数年来、地方に対する補助金や地方交付税が大幅に削減(地方交付税は三位一体改革で5.1兆円削減)されました。その反面、地方分権に伴い自治体の任務は、福祉や教育など全ての分野で増加すると共に、多様化・高度化しています。従って地方自治体は、少ない財源や人的資源を有効に活用して、効率的な行政運営を行うために、抜本的な構造改革が求められています。
持続的な発展を願い町村合併
このように、地方自治体を取り巻く環境が変わる中で、我々は時代の変革に対応して、地域の持続的な発展を願い町村合併の道を選びました。国の財政状況から判断すれば、今後も補助金や地方交付税の増額は望めません。更に、急速な少子高齢化により、税収が年々減少していきます。一方では、行政の役割は多様化し、益々専門性や効率性が求められます。また、道州制の議論が進む中で、基礎自治体の役割が一層高まることは必定です。このような状況下にあって、合併しないでどのような自治体を運営するのか聞きたいところであります。
財政再建と懸案事項に着手
町村合併に際しては、地域の発展に必要な事業を「新町まちづくり計画」に盛り込むと共に、各種の行政サービスと住民負担は「町村合併協議会」で議論を重ね決定しました。学校施設の整備やまちづくり交付金事業などは、この計画に基づいて事業化しており、国の財政支援である合併特例債などを有効に活用しています。尚、月夜野地区等の都市計画事業は、ダウンどころか組織を強化して、順次計画的に実施しています。行政サービスでは少子化対策として、県内に先駆けて13歳までの医療費無料化や「出産祝金制度」を創設し、次世代育成支援に取り組んでいます。スクールバスの無料化は「スクールバス運行検討委員会」の答申を受けて決断しました。また、段階的に調整する水道料金は、受益者負担と公平性の原則に則り、料金改定等を実施しているところであります。
正しい情報の下で合併検証を
合併当初は、経常収支比率が102.8%と財政が極めて硬直化していました。それだけに、財政の悪化による新町の前途を憂慮して、事業の実施や行政サービスの維持などについて再検討しました。そこで、合併のメリットを最大限に活用すると共に、行財政改革にも取り組み、平成18年度には経常収支比率を91.6%まで改善できました。更に、基金(貯金)は平成19年度末迄に、約32億円(災害等の緊急時に備え、40億円が目標)になる予定です。今後は更に「行財政改革行動指針」の下で、町民や職員の理解と協力を得ながら、財政規模100億円と職員数240人を早期に達成できるように、鋭意改革に取り組む決意であります。
「みなかみ民報」は、合併後の町づくりや行政サービス、更には行財政改革について、“バラ色が消えた総合計画”とか“リストラ早期勧奨退職の強要”とか誹謗中傷的な表現で揶揄していますが、つぶさに実態を調査しているのでしょうか。
地方分権時代に相応しい町づくりを進めるには、「まちづくり基本条例」に示すように、正しい情報の共有が必要不可欠であります。このため今年度は、町民・議会・行政が正しい情報を共有しながら、町村合併で克服し、実現できた事などを検証したいと考えています。何故ならば、検証によって町村合併の正しい認識と、町づくりに対する新しい知恵と夢、更にはそれが町民に大きな勇気を与えてくれると確信するからです。
尚、時期については平成19年度決算議会後(9月定例議会)に、仮称「みなかみ町合併検証委員会」を組織して行う考えであります。













