みなかみ町長 鈴木和雄
雪降る2月3日は町内の皆さんが、「福は内、鬼は外」と豆をまき、災いをもたらす厄神を払い、平穏な一年を祈りました。
節分の翌日は立春です。心なしか庭先の福寿草の芽も膨らみ、春の到来を待ち望んでいます。
行財政改革行動指針決まる
さて昨年の11月には、行財政改革の道標である「行財政改革行動指針」を策定する事ができました。その内容は、平成27年度までに普通会計の規模を97億円台に縮減し、また職員総数を240人以下に削減する計画であります。尚、公共施設の統廃合については、議会・住民・行政の代表で構成する「みなかみ町公共施設統廃合等検討委員会」を設置し、検討をお願いしています。更に、平成20年4月から職員の純減で協働体制を確立するために、係制からグループ制に移行します。「改革元年」の今年度は、様々な構造改革に着手しましたが、平成20年度も一層の改革を目指して予算編成を行う決意です。
平成20年度の予算編成と暫定税率
平成20年度一般会計予算は、人件費や物件費等の経常的な経費の縮減を図り、併せて利率の高い地方債(借金)・2億3,000万円余りを繰り上げて返済する計画であり、予算規模は前年対比1.85%減の125億5,000万円程度の見込みです。一方歳入面では、地方税の伸び悩みと平成20年度から特別交付税の合併支援分がなくなる事から、財源不足が6億8,000万円余りとなり、基金(貯金)の取り崩しが余儀なくされます。
このような財源不足の中で、予算編成では道路特定財源・暫定税率が維持される事を前提に、一般財源(自動車重量譲与税、地方道路譲与税、自動車取得税交付金)として約3億5,000万円の歳入を見込みました。従って、仮に暫定税率が廃止されますと、現在の予測では一般財源が約1億5,000万円マイマスとなり、大きな歳入不足となります。本町の道路予算は、現在の道路施設の維持管理と建設に要した地方債(借金)の返済金等で約6億6,000万円が必要です。従って暫定税率が廃止されますと、除雪や道路補修等の行政サービスが低下するだけでなく、福祉や教育費等に影響が及びます。何故ならば、国は道路予算を全額、道路特定財源で賄いますが、地方は配分される道路特定財源では足りず、他の一般財源と地方債(借金)を充当して道路予算を編成するからです。
新たな事業に着手
平成20年度は、水上地区の消雪道路整備や各地の道路改良工事に加えて、新たに「後閑地区・都市計画事業」の道路整備、関口橋の架け替え工事、更には入須川・師田線の道路改良工事等に着手する予定です。これらの事業は国の採択に基づき、道路特定財源から「まちづくり交付金(補助率40%)」や「地方道路整備臨時交付金(補助率55%)」を受けて、補助の残りを他の一般財源と地方債(合併特例債)で行うものであり、今年度は交付金を約1億1,000万円見込んでいます。しかしながら、暫定税率が継続されないと交付金が大幅に減額され、事業も計画倒れになってしまいます。
以上の事から、暫定税率の廃止で本町が被る損失は、一般財源と事業分を合わせて約2億6,000万円の巨額となる事が予測され、現在、平成20年度予算を編成中にも未だ歳入不足の方策が見えず、極めて憂慮すべき事態であります。
代替財源のない暫定税率の廃止は、地方財政の破綻につながります。ましてや廃止となると、本町にとっては今日まで進めてきた「行財政改革」と「夢のある町づくり」が元の木阿弥になります。従って道路特定財源の問題は、ガソリン値下げと道路建設の議論だけでなく、税制全般にわたり議論する事が肝要であり、私は代替財源が明らかになるまで暫定税率の堅持を強く訴え続ける決意であります。
利根沼田地方の懸案事業
一方、利根沼田地方に目を向けますと、国道17号新三国トンネルの開削や国道120号椎坂トンネルを始めとする幹線道路の整備計画があります。更には「望郷ライン」を県道に昇格して、その延長線上に「水源地を守る玉原トンネル」の構想もあります。念願の「椎坂トンネル」は、明るい兆しが見えてきました。
車社会に依存する利根沼田地方は、道路は命です。しかも、群馬県土の28%を有する利根沼田地方は、水源地域として極めて公益的な役割を担っていますが、この自然環境は国民的な運動で保全する努力をしなければ、水源の故郷は死んでしまいます。
そこで、私達の願いは森・山・川を守り、災害時や冬期間の安全・安心の確保と高度医療施設への容易なアクセスであり、更には地域間交流を盛んにして交流人口の拡大を図る事です。そして、観光・農業を中心に商工業の振興を図り、自然豊かな夢と活力のある地域づくりにありますが、そのための必要条件は、道路網と情報インフラの整備であります。しかし、暫定税率が廃止されますと国の道路財源が半減し、新規事業は言うに及ばず、今ある道路の維持補修や除雪等も侭ならず、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
地方の再生なくして国の発展なし
暫定税率の廃止を主張する某政党は、交通量から道路の不要論を説き、地方の減額分は国の直轄事業に伴う地方負担金を廃止し(事業がなければどうする)、加えて更なる歳出削減等で賄うと言います。また地方債(起債)の発行や地方交付税の増額等も聞きますが、絵に描いた餅は歳入源にならないのです。
暫定税率の廃止は、国全体で約2兆6,000億円の財源不足が生じ、消費税等の新たな代替財源がなければ不可能と思います。特に、地方分の9,000億円は既に一般財源化されており、代替財源を決めずに廃止すれば、地方財政は破綻の道を歩みます。
よく、「自治体の首長は金太郎アメのように《暫定税率の維持》を大合唱するが、それは国に首根っこを掴まれているからだ。」と揶揄する国会議員がいます。国民の代表たる議員が、そんな事を本当に考えているのでしょうか。余りにも、行政システムと地方の実態に無知な言動で失望します。「議員たるや衆議院選挙や政局ばかり考えず、国家財政の再建と国民の幸せを考えて欲しい。」と申し上げたい。
地方は今、国会が決めた「合併特例法」等で構造改革に挑戦し、新たな発想で分権時代の幕開けに汗をかいています。この時に政府・国会は「ガソリン国会」でなく、真に国の発展と繁栄を考えて、地方の再生に取り組まれる事を念願します。
現在、みなかみ町は少子高齢化が進むと共に、定住人口は減少傾向にあります。このため安全で快適な住環境の整備や企業誘致等で雇用の拡大を図り、併せて観光・農業を中心とする地場産業の活性化に取り組んでいますが、その中にあって道路整備は最も重要な施策であります。
一部マスコミ等の報道では、連日のように、無駄な道路の建設とか、道路は利権の巣等との言葉が飛び交っているが、みなかみ町には無駄な道路もなければ、利権の巣もありません。是非とも国会は、与野党が国民の幸せを願って真摯に「道路特定財源制度」について協議し、日本の将来と地方自治体の健全な運営を考慮して、今年度末までに最良の結論を出す事を熱望します。
私は「行財政改革行動指針」の下に平成20年度予算を編成し、町議会の議決を得て、新生「みなかみ町」の建設と住民福祉の向上に努めてまいります。
町民の皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます。













