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現在町には31の水道事業があり、町の管理に属するものは「水道事業会計」または「簡易水道事業特別会計」により管理され、その他のものは各個別の組合会計により処理されている。
この「水道事業会計」及び「簡易水道事業特別会計」には、次のような問題があり、早期に計画的に改善すべきことが求められる。
◎経営の恒常的赤字体質
「水道事業会計」は、合併してから平成18年3月31日までの半年間(当期)で、約740万円の純損失が発生し、未処理欠損金の総額は約5億円に達している。
また、当期の「簡易水道事業特別会計」は、約1,300万円の剰余が生じているものの、これは一般会計からの繰入金約2,200万円や合併前町村歳計剰余金約2,800万円等を繰り入れた結果で、実質は赤字経営である。
しかし、旧水上町に限っては、財源不足から一般会計からの補填ができず、一時借入金等により対処し、負債として新生みなかみ町へ持ち越している。
◎多額な水道料金の滞納
平成18年7月31日現在の水道料金の滞納は、約1億8,100万円であり、当期の水道料金収入合計約2億1,300万円の約85%に相当する。
◎一時借入金等の自転車操業
現在の水道料金体系では、事業収益で事業費用を賄えない恒常的な赤字体質であり、そのうえこのように巨額の滞納では、資金繰りが困難になるのは当然である。
滞納の75%は旧水上地区に係るものであるが、「旧水上町水道事業会計」では、この窮状を凌ぐために一時借り入れを繰り返し、合併時点では、この額が約1億5,000万円に達し、これは現在もそのまま残っており、年間120万円程度の利子負担も余儀なくされている。
また、「下水道特別会計」から預かり金名目で、約3,000万円を流用した経緯もあり、資金繰りの改善は喫緊の課題である。
なお、平成18年3月31日現在の水道事業に係る企業債残高は、約23億5,000万円である。
◎施設の維持管理の問題点と老朽化
「旧水上町水道事業会計」では資金繰りが悪化していたため、施設の維持管理に多くの問題点があり、次のような課題が見らる。
①耐用年数の切れた量水器を現在も使用しているため、早期交換の必要に迫られており、交換のための所要額は4千万円以上と見積もられている。
②現在、石綿セメント管が約6,600m残存布設されていため、破損・故障の原因となることが多く、施設の維持管理上の隘路(困難)となっている。
従来、石綿セメント管の耐用年数は25年とされ、また、石綿セメント管は昭和60年から製造が中止されていることも併せ考えると、当町に残存布設されている石綿セメント管は既に耐用年数を経過していると見ることもできる。
布設替え計画に伴う、その所要額は、約2億6,600万円になると見積もられている。 |
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◎水道料金の滞納の圧縮
まず、約1億8,100万円の滞納の圧縮に努めることである。このことについては、既に当調査会の第一次答申で触れており、滞納整理室の設置等、早期に対応された点は評価し、今後の実効ある活動に期待したい。
水道事業者には給水の義務が課せられているが、料金が支払われないときには給水義務が解除される。水道料金が供給した水道水の対価であることを考えれば「同時履行の抗弁権」を行使して、料金が支払われるまで水道水の供給を拒むことが出来るのは当然であると考える。
町の条例などを的確・効果的に活用し、給水停止をすべきである。町民が相手だけに給水停止にためらいがあるとすれば、予告や警告の手続きを尽くしたうえで、減水等の措置をもって履行を迫る必要がある。また、滞納者個別に内容を検討して悪質な者に対しては、訴訟など提起を考慮する必要がある。
◎水道料金の改定
水道事業会計は企業会計に準じ独立採算で業務遂行をすべきであり、主たる事業収益である水道料金をもって事業費用を賄うべきである。
このため、水道料金は適正な原価を基礎として決定され、健全な運営を確保しなければならないとされており、これを担保するため3〜5年をもって料金の見直しを行い、収支の均衡を図ることとされている。
現在、水道料金審議会で料金改定が検討され、①「合併協議において、水道料金は当分の間、現行のままにしようとの約束があったこと。」②「水道料金に旧月夜野地区と旧水上地区で開差があるが、これは両地区の給水原価に差異があるためである。」などの意見が述べられているが、議論を喚起するため、次のことを申し上げたい。
①については、合併協議の際に関係者が水道事業の実態につき詳細な説明を受けて承知していたのか疑問である。
旧水上町水道事業会計に属していた簡易水道事業会計には、歳入欠陥が生じており、この様な場合には、通常一般会計からの繰入金等で調整をされるべきを、財源不足からこれを一般会計繰入金等で負担せず、一時借入金や預かり金で繰り越しているのであるから、その実態は未処理欠損金であり、これを新しい町の全住民に負担させることとなる現行のシステムは、不公平・不公正であること。
②については、給水原価の計算がどれほど正確になされていたか疑問がある。
正確な原価計算がなされ、収支の均衡が図られたうえで料金改定がなされていれば、前述の自転車操業等は起こり得ないし、施設の維持管理の手抜きも生じなかったはずである。
旧水上地区に於いては、管理上の手抜きから給水原価が低く設定されていたと言わざるを得ず、一部地域の安い料金に起因する不足分を税をもって補填すれば不公平は免れない。水道事業から生じた借りは、水道事業の収益で返済する努力が必要であるから、その為にも、今後は適正な原価計算に基づき、料金体系を統一すべきであると提言する。
原価計算に当たっては、単年度の収支に目を向ければこと足りるのではなく、積年の多額な未処理欠損金や、負債の存在にも目を向けなければならない。
◎水道関係会計の見直しと統合
水道事業の現況は、同じく町の管理に属する簡易水道でありながら、あるものは「水道事業会計」に所属し企業会計に服し、また、別の簡易水道は「簡易水道事業特別会計」に所属し、現金主義会計で処理されている。このことは小水道においても同様である。
独立採算を旨とする水道事業の会計は、正規の簿記の原則による企業会計によって業務処理され、未収金・未払金、前払金・前受金、減価償却費等を正確に把握し、適正な期間損益を計上すべきである。
もとより、水道事業は利益を目的とするものではないが、健全な運営を確保するための妥当な水道料金算定のための基礎計数たる原価計算を実効あらしめるため、会計制度を統一し、正規の簿記による企業会計処理を導入するよう提言する。
◎水道管理者の見直し
現在、水道事業管理者は町長であるが、水道事業は企業経営にも似た公務活動である。経営者の目と耳と経験を持ち、事業の細部までを把握し、経営者としての知識と口と手をもって事業を的確に運営して行くには、現在の四役に準ずる地位と権限を有するポストを新設し、この者を水道事業管理者として水道に関する一切の職務を任せ、下水道事業までも包括的に所掌・管理することにしてはどうか。恒久的なポストでなく、水道事業の危機を乗り切るまでの当分の間のポストであってもかまわない。 |
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