新生「みなかみ町」は、厳しい財政悪化の下でスタートしましたが、職員を始め町民皆さんのご理解とご協力で、行財政改革を着実に進める事ができました。御蔭様で人件費などの経常経費を削減する事ができ、これによって生まれた財源を基に、国と県の合併支援を活用した公共事業を導入し、教育施設整備、都市計画事業等、懸案事項の事業に着手する事ができました。
当面の投資額(普通建設事業費)は、年間15億円程度とする方針ですが、実質公債比率が20%を超えていますので、計画的な合併特例債の運用に努めながら所要額を確保したいと思います。
一方、2006年度の国と地方を合わせた公共投資は 18兆円で、ピークだった1995年度の半分の水準となり、これ以降も減少の一途をたどっています。このため、民間需要の高い都市部はいざ知らず、地方の建設業界は大変厳しい経営状況にあります。社会経済状況の変動がもたらす建設業の再編は避けて通れませんが、急減なリストラは地域経済や行政運営等に支障を来すことになります。地域の建設業は地場産業の一つであり、納税者でもあります。そして、それに従事する多くの社員と、その家族がおります。行政は急激な変革がもたらす、社会的影響も配慮しなければなりません。
この事は、利根沼田地方も例外ではなく、仕事量の減少は即、事業の経営力に表われ、入札時の実績評点にも影響し、経営規模の小さい会社は特に厳しい経営状況になっています。
このような状況化の下で、本町のように面積(群馬県土の12.3%)が広く、降雪と不測の災害が心配される自治体は、除雪や災害時に最も頼りにするのが建設業の皆さんです。平成18年未曾有の大雪で、生活道路等ライフラインの確保に昼夜のご活躍を頂いた事は、記憶に新しいところであります。建設業の皆さんは地域と深い繋がりを持ち、その中で住民の生命・財産を守り、安全で安心な町づくりに貢献しております。それだけに、仕事量の減少により業者が急減し、その職を離れる人が増えれば、町の行政運営に大きな影響を及ぼすことになります。
町村合併の特例期間は、平成27年度末迄です。
この間に合併特例債等、国の財政支援を受けて実施を考えている主だった事業を申し上げます。
■新治地区は統合「新治小学校」の残工事と「認定こども園」の設置、更には新治中学校の耐震補強と体育館の改築があります。それ以外には、大きな事業がなくなります。土地改良事業では「畑地帯総合整備事業」の継続と、町道では合瀬・入須川線の開設があります。
■月夜野地区は桃野小学校体育館の改築、3小学校と総合体育館の耐震補強、更には都市計画事業、地方道路整備臨時交付金事業、企業誘致等に拘わる土地造成事業等があります。また土地改良事業では、「名胡桃地区用水事業」「真沢地区・戸倉地区農道整備事業」等があります。
■水上地区は保育園と水上小中一貫校の新築、そして藤原小中学校の耐震補強があります。更には湯原温泉街・諏訪峡の再開発、温泉ボーリング等があり、土地改良事業では「中山間地総合整備事業」の紅葉橋・集落道、幸知小学校の跡地利用、温泉源の再利用など中部地区の再開発があります。
併せて、国・県等の事業では、月夜野地区においては上毛高原駅前の再開発、国道291号線の道路改良、県道月夜野・猿ヶ京温泉線の道路改良、治山砂防事業、利根商業高校の耐震補強等があります。そして水上地区は県道水上・片品線の道路改良、レールパーク&スパ構想の実現があります。更には、利根沼田広域の課題として望郷ラインの県道昇格や水源地の危機管理上から「玉原トンネルの開削」が必要不可欠であります。また町の共通課題としては、光ファイバー網の整備があります。
以上、想定できる事業等を申し上げましたが、これらの中で町が発注する事業の総額は、120億円程になると推測できます。町の公共事業は、インフラ整備で地域の特色を生み出し、地場産業である観光・農業の活性化を図ると共に、企業誘致を可能にし、「夢のある町づくり」に繋がります。そこで、これらの事業はどのような手法を取れば、地域経済や雇用の安定化に貢献し、適正な価格で発注できるか考えなければなりません。
積極的に一般競争入札を導入している長野県では、昨年1月に、都市型業者に敗れた山間業者等が約1,000社倒産したと報道されました。確かに一般競争入札は請負比率の低下に繋がりますが、一方では価格競争を激化させ、結果として、地域経済が衰退し、雇用が悪化すると言われます。更に、地域固有の優れた社会資本を残すために、地元業者を育成する観点から、急激な導入に疑問を懐く声もあります。
このため、一般競争入札の導入にあたっては、企業や技術者の工事成績や施行実績、地域貢献度などを数値化し、入札価格と合わせた総合評価で落札者を決定する「総合評価方式(簡易型)」を導入する試みや、地元業者である「地域要件」を設けている例もあります。
現在、国土交通省では、大規模工事以外は地元業者が受注できるような「総合評価方式」の導入について、市町村が利用しやすいマニュアル化を進めていると伺っています。
このようなことから、町の公共事業の発注は適正な価格競争を求めながら、極力、地元業者に発注する方法を考える必要があります。入札の手法には、一般的に条件付一般競争入札、指名競争入札、更には随意契約があります。私が常々考えている事は、公平な競争環境の下で事業の多くを町内業者に発注し、下請け業者も町内を優先する環境づくりであります。所謂、町民の総力で事業を完成させたいと考えています。何故ならば、町民の協力で行財政改革を行い、そこに生まれた貴重な財源で各種の事業ができるからです。仮に行財政改革が進み、事業も計画通り推進できても、町内業者が受注できず、経営不振に陥り、廃業を余儀なくされるとすれば、町全体の協力体制は揺らぎ、「夢のある町づくり」はできなくなります。
そこで当分の間、条件付一般競争入札、指名競争入札等を併用し、以下の方法で町の公共事業を発注する方針を立てました。議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げます。
(2)5,000万円以上の大規模工事は、以下の地域要件を付した条件付一般競争入札とする。
ただし、内容や条件によっては他の入札方式とする場合がある。
■ 参加方式が単独の場合は、本店または支店の所在地をみなかみ町内に置くこと。
■ 参加方式がJVの場合は、メンバーの内1社以上が本店所在地をみなかみ町内に置くこと。



私達、利根沼田の市町村長は、5月23日沼田市のディランにおいて、大沢群馬県知事を始め副知事・県警本部長・教育長、更には各部長等を迎えて行政懇談会を行う事ができました。心から感謝と御礼を申し上げます。
新生「みなかみ町」が、「谷川連峰・水と森林防人宣言」をシンボルに誕生してから、早や2年5ヶ月余りが過ぎました。この間、町民皆さんのご理解を得て行財政改革の方向が決まり、併せて「第一次みなかみ町総合計画」も策定されて、環境の時代に取り組む「利根川源流の町」の道標ができました。そして本日は、総務文教常任委員会提案によって「みなかみ町まちづくり基本条例」が可決され、今後の町づくりに大きな弾みを付けてくれました。誠に有難うございました。










