みなかみ町の人口は、合併前の昭和30年の国勢調査では35,000人でしたが、合併時の平成17年では2万3,000人となり、約1万2,000人も減少しました。この原因は、ダム建設等の大型公共事業がなくなり、バブル経済が崩壊後の10年間の苦しみ等がありました。これに伴って観光・農業等の地場産業が低迷し、特に農業の先行き不安から後継者が極端に少なくなったことが上げられます。しかし、社会情勢も変わり、高速交通時代の到来に大きな期待を寄せましたが、観光を始めとする地場産業が振わず、人口の定着化に結び付きませんでした。特に、企業誘致等に手を拱き、就労の機会と雇用の拡大が図れなかったため、若者の人口流出に拍車がかかり、一層の人口減少が進みました。また戦後60有余年が過ぎて、この間、自由と民主主
義を基調に、人間尊重と科学的思考のもとで現代社会が形成されました。そして何時の世も、人はその時代を支え、そして支えられ、その流れに沿って、健全な社会は生き続けます。人間もこの自然界に生きる動物の一種族であり、種の存続は重要な本能の一つであります。しかし、与えられた人間の知性によって、自己の利のために、或は経済的な理由で、この本能が抑制されるとしたら、人間社会は崩壊してしまいます。
換言すれば、今日の社会は個人の主張や権利が優先し、その上に地方も男女の出会う機会も少なく、コミュニケーションが欠如する社会になってきました。
これでは、地域内の意思疎通もはかれず、企業間等の交流もできないために、結婚情報は申すに及ばず、全ての情報が閉塞感の中に陥ってしまいます。
また、人間形成の観点から、結婚して家庭を持つ意義を強調したいと思います。全くの他人が家庭生活を営むには、人間尊重の精神と人を愛する心、そしてお互いに思いやる妥協が必要となります。これらは自己の人間形成に、大きな一助になると考えます。そして、子供が生まれ、子育ては親の人間形成にとって、かけがえのない体験であります。
子供の成長を願い営む日々の生活は、試行錯誤の連続であり、悲喜こもごもの経験を余儀なくされます。しかし、人は経験を積み重ねることで成長し、子育ての経験が夫婦の人間性を高め、成長に役立つものと信じます。現代社会の実情から見て、それは理想論として一蹴されるかもしれませんが、この際、敢えて結婚と家庭生活を営む意義について考えたいものであります。
ご案内の通り、国の合計特殊出生率は1.32人であり、県は1.36人、町は1.47人であります。
政府の経済財政諮問会議の専門調査会は、社会保障制度の改革をして10年後に、合計特殊出生率を1.8人程度まで回復したいとする目標を掲げましたが、大きな期待を寄せています。私は前々から、国の社会保障給付費の高齢者対策から、その一部を少子化対策に廻すべきべきであると訴えてきました。平成17年度実績は総額で87兆9,000億円でしたが、この内、年金や老人保健医療など高齢者への給付は61兆7,000億円で全体の70.2%でありました。一方、少子化対策など児童・家族関係費は3兆5,000億円で全体の4.1%にしか過ぎませんでした。これでは、幾ら少子化対策の必要性を訴えても、解決には程遠いのであります。
ここで、みなかみ町の実態を申し上げます。平成18年度の成人者数は314名、19年度は298名でした。出生数は、平成18年度が130名、19年度は118名でありました。
以上のように年々少子化が進み、成人者数と比較しますと半分以下の出生状況であります。
この少子化の現実は、深刻に受け止めなくてはなりません。何故ならば、子供達は将来のみなかみ町を、そして日本を支える重要な役割を担っているからです。
従って、今や少子化対策は、子育てを夫婦や家族に任せるだけでなく、国の税制改正等によって、社会全体で負担する制度設計に変えるべきです。ましてや、結婚・出産に際しては、大幅に税を控除するべきであるし、財政措置をして「お祝い金制度」をつくり応援するのは当然であります。
何故ならば、このままの状態を放置すれば、地域や町は勿論のこと、国全体に大きな歪みが生じ、福祉国家の基盤である社会保障制度が崩壊してしまうからであります。
以上、時代背景を含めて、私の考えを申し上げましたが、「嫁対策」は如何にして男女の出会いを創るかであります。現実として未婚率が上昇し、晩婚化が進んでいますが、未婚の男女を如何にして結婚する気にさせるか、全てはそこにあります。私は今迄に何組もの媒酌人を務め、又、私の取り持ちでカップルも誕生し、既にそうしたカップルの子供達も結婚して孫が生まれています。何れにしても、男女の出会いを創ることが肝心であります。
私の経験では、新治村長時代に「結婚相談委員制度」を設置して取り組んだことがあります。本町は今年、「町づくり基本条例」を制定しましたので、この機会に旧町村単位に相談員制度を設けて、活発な情報交換ができる体制づくりが緊要です。また、大沢知事は行政懇談会で、仮称「群馬県少子化対策推進本部」を組織して取り組む姿勢を示されました。町でも県と上手く連携を取って、「結婚対策」に取り組んでまいりと考えます。
議会でも組織の編成並びに、今後の取り組みついてお力添えをお願いいたします。
尚、本町は「利根川源流の町」として、利根川を核に交流事業を積極的に進めています。
現在、千葉市・さいたま市・取手市・江戸川区、更には所沢市・伊奈町等との自治体交流が盛んになり、物産交流、お祭り、花火大会等に出席しています。これらの交流では、それぞれの地域の現状や諸問題を語る機会がありますので、その中で環境問題、住民の交流事業、更には結婚対策等についても提案し、交流の場づくりや推進方法等について協議を重ねてまいります。
ご支援の程、お願い申し上げます。













