現在、生ゴミは可燃物として収集し、固形燃料化(RDF)施設で固形燃料を製造しています。その過程では生ゴミの乾燥に、大量の灯油を使っております。ご質問の通り、生ゴミを堆肥化できれば燈油も大幅に削減する事ができ、CO2を減らす事ができます。
現在は新治地区の一部施設の生ゴミを堆肥化していますが、昨年は「うららの里」の皆さんのご協力を得て、試験的に食品残差の分別を行い「資源リサイクルセンター」で堆肥化を行いました。その結果を踏まえて、今年に入り町内のホテル・旅館等にアンケート調査を行いました。その結果は、
① 生ゴミの分別の煩雑さ
② 分別と収集料金制度の問題
③ 既存収集業者との調整
等の問題点が提起されました。しかし、各施設とも費用対効果で経費が削減できれば、協力できるとの感触を得ていますので、「資源リサイクルセンター」の処理能力の範囲内で収集方法等を検討し、更なる協議を継続してまいります。
さて「資源リサイクルセンター」は畜産農家の環境保全と経営安定化のために、酪農家の出資を基に取り組んだ事業です。この事業は家畜の糞尿処理が主ですが、その中に生ゴミ(食品残渣)を混入して堆肥化し、良質な有機肥料を土壌に還元する、資源循環型の施設であります。しかし、画期的な機能を持った施設ですが、多くの課題を抱えています。「資源リサイクルセンター」は、一日2トンの食品残差と牛糞19トン、それに水分調整材のオガコ5トンの処理能力を備えています。
処理された堆肥は良質な有機肥料となり、関係者に高い評価を得ております。
創業時は、原材料の牛糞が予定通り搬入されたので、順調に操業されました。しかし、今日では搬入が予定数量より遥かに少なく、この事が原因で事業収支に大きな赤字が出ています。平成19年度実績では、1,390万円余の赤字額でした。この現実は酪農家の牛糞処理に多額な町費が毎年、補填されている事であり、このまま改善をされずに事業の継続は許されません。 改善できなければ事業閉鎖も視野に、検討する事になります。
では何故、牛糞の搬入が少ないのかであります。
牛糞を堆肥化するには、人件費や電気料及び水分調整材など様々な経費を必要とします。そのため搬入された牛糞は受益者負担の原則で、処理料は酪農家の負担になります。酪農家は牛乳の生産ですから、粗飼料に加え、トウモロコシ等を原料とした濃厚飼料を多く与えます。
しかし、濃厚飼料は輸入に頼っているために、近年、価格が高騰し、その対策に苦慮しているのが現実です。
そこで負担を軽減するために、酪農家は一部牛糞を資源リサイクルセンターに搬入せず、やむを得ず野積みや農地に還元しているのが現状です。
この施設は環境保全型農業が叫ばれる中で「家畜排せつ物の適正化及び利用の促進に関する法律」が制定され、この趣旨に添って受益者負担を基に公共事業で建設されました。しかし、今は「堆肥を農地に野積すれば法律違反であり、リサイクルセンターに搬入すれば薄利さえ出ない。」、正に二者択一の厳しい現実に晒されています。
このような実態でも、現実から目を逸らせば、水質汚染や環境問題等に繋がり、放置する事は許されません。しかし、原材料である牛糞の確保ができなければ、有機肥料の製造・販売も侭ならず、事業収支の赤字が更に拡大します。この機会に、鼬ごっこの議論でなく、事業閉鎖をするか、事業を継続するならどうするか、原点に返って根本的な対策を練り直す時期であります。
そこで、この施設の能力を活かして、効率的な活用をするために、専門家である津南町のJA堆肥センター所長の桑原氏を招聘し、指導を受けています。また条例に基づいて「資源リサイクルセンター運営委員会」を設置し、経常経費の節減と堆肥搬入の促進等について検討をお願いしています。何れにしても、受益者である酪農家の経営に拘わる大きな課題であります。それだけに畜産振興を視野に入れて、具体的な対策の道筋をこの機会に着けたいと思います。そして、牛糞や食品残差を堆肥化して有機肥料を製造し、これが耕種農家や家庭菜園に利用される、そんな循環型社会の構築を目指したいと考えています。













