鈴木和雄
明けましておめでとう御座います。
コブシの冬芽も元気良く成長し、新しい四季に挑む力強さを感じさせます。私は38年余の地方政治を離れ、初めてのお正月を迎えました。この間、色々な人と出会い、お世話になった皆さんを懐かしみ、感謝の日々を送っています。併せて何か頭が軽くなり、開放感に浸っています。その中で現在・過去・未来を思う時、今が最も大事で価値あるものと実感します。何故ならば、現在の取り組み如何で未来が決るからです。
時あたかも、司馬良太郎原作の「坂の上の雲」がテレビで放映されています。これは明治の開花期の青年が、夢と希望を持って文学を語り、日本の近代化に取り組み、国の存亡を賭けて戦った日露戦争の物語です。そこには、日本人の意識の中に生まれた一滴の雫が、小川となり、やがて大河となって国づくりに挑んだ歴史が刻まれています。その志が富国強兵に努め、勝利を目指す強い日本人を培い、「坂の上の雲」を掴もうとする壮大なドラマを生んだのです。しかし、日露戦争の終結後は客観的かつ冷静に物事を観る力を失い、軍国主義の台頭を許し、精神力のみに頼った結果、国民に計り知れない犠牲を強いたのでした。
思えば、この間の100年余は戦争と平和、そして復興と繁栄の世紀でしたが、この多事多難な過程を国民の知恵と努力で克服し、平和国家として先進国入りを果しました。しかし今日の日本経済は、円高・株安・デフレの三重苦に喘ぎ、失業率は5%を超えています。そして、大学生や高校生の就職内定率もバブル崩壊時にも劣る急落であり、雇用環境は極めて厳しい状況にあります。このような時は、政治や行政が他に責任を転嫁する傾向がみられますが、これでは多くの人々がマイナス思考に陥り問題解決になりません。私達は先人・先輩が築き上げてきた日本国に誇りを持ち、この国が子々孫々まで発展を願って夢と希望を語り、今何をすべきかを真剣に考えたいものです。
国の礎は何といっても地方であり、地方の発展なくして国の発展はありません。デフレ経済で景気の先行きが見えない今、地方を元気にする成長戦略が緊要です。
ところで、民主党を中心とする新政権は、新時代の到来を印象づけるかのように「八ッ場ダムの建設中止」等、公共事業に対する風当たりを強くしています。しかし将来展望の見えない政策変更は、地方自治体や住民を困惑させるだけです。ましてや、地元自治体と国との間でダム建設の基本協定を結び、既に70%を超える事業が完成している今日、一方的に国交大臣の「建設中止の発言」は青天の霹靂であり、地域住民は生活不安から戸惑うばかりです。独裁国家ならいざ知らず、民主的な先進国を自負する我が国にあって、こんな冒涜な行為が許されて良いのでしょうか。
新政権の運営に危うさを感じます。
一方、新政権は地域主権による国家建設を訴えています。
地域主権とは「自らの地域のことは、自らの意思で決定し、自らの力と責任で行う。」ところにあります。そのためには、明確に国と地方の役割分担を定め、市町村が独立した権限と自らの税財源を持ち、自由にして独創的な運営ができなければなりません。しかし、その原理原則は理解できても現状では自治体の規模に大きな差があり、市町村の力だけではそれぞれの構想が実現できない状況にあります。そこで、私は平成維新の気概に燃えて、積極的に地方主導で道州制の導入を行うべきであると考えます。しかし、道州制も中央集権的な発想で進めたのでは意味がありません。重要なことは税の賦課・徴税権を地方に移譲することであり、これができない道州制は元の木阿弥であります。
従って国は外交、防衛、司法、更には社会保障等を担当し、基本的には全ての賦課・徴税権を地方自治体に移譲し、統治を任せるべきです。そして国の財源は、各道州の上納金で賄う体制が確立できれば、地方分権が実現し、地域格差のない国づくりができると思います。
新しいを迎えても、依然として景気の低迷と雇用の悪化が憂慮されます。政府は既決の補正予算を一部凍結し、この財源を基に昨年末、「雇用」「環境」「景気」、そして「地方支援」を柱とする経済対策を閣議決定しました。
この上は第2次補正予算案が一日も早く可決して、実効のある対策が推進されることを期待します。
一方、町にあっては『みなかみ・水「環境力」』宣言に基づく具体的な施策に大きな期待を寄せています。何故ならば環境重視の時代にあって、わが町の森林・山・川は無限の可能性を秘めた「宝の山」であるからです。共に価値観を共有して、夢のある町づくりに邁進したいものであります。
この一年が皆さんにとって、ご健勝で幸多き年であることを祈念して、新年のご挨拶といたします。
今年も宜しくお願い申し上げます。














