みなかみ町長 鈴木和雄
昨年は町政の各般に亘り、ご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。私の使命は、「財政再建」と「夢のある町づくり」であります。財政面では、歳出改革と町税等の滞納対策を積極的に進める事ができました。お陰様で、補助金や特例債等の合併優遇措置を有効に活用して、平成17・18年度決算の実質収支を予想以上に黒字化する事ができました。これにより、基金(貯金)も計画的に積み立てる事ができ、若干ですが財政再建の兆しが見えてきました。しかし、国の改革動向は不透明であり、加えて、「財政健全化法」で示す町の財政数値は依然厳しい状況にあり、なお一層の努力が必要であります。
行財政改革の指針
新生「みなかみ町」が誕生してから、今年で早3年となります。具体的な行財政改革も、「行財政改革行動指針」を策定する事ができました。今後はこの指針の下に具体的な改革に着手してまいります。この指針では財政改革として、普通会計の歳出規模を現在の130億円台から、平成27年度には97億円台まで縮減する方針を示しました。なぜならば、国・地方とも多額の借金を抱えている実態では、今後も国庫補助金や地方交付税の増額が望めず、加えて、人口減少や少子高齢化等から町税の減収が予想されるからであります。従って、身の丈にあった歳出構造に、段階的に改める事が肝要であります。
行動指針の一つは、平成27年度当初までに職員数を、100人削減する定員管理計画を示しました。支所機能の縮小や、施設の統廃合、更には、ごみ処理業務や幼稚園・保育園等の民営化を図り、計画的に職員の削減を進めてまいります。
組織・機構の行動指針は、職員数の純減に対応しうる協働体制をつくり、職員の資質向上と組織の活性化を図るために、平成20年度からは12課2支所体制の下で、1室27グループのグループ制に移行します。併せて、管理職員等の職責を明確化し、年功序列から職責に応じた職員給与体系に転換してまいります。
光ファイバー網の整備促進
魅力ある町づくりの必要条件は、道路網と情報インフラの整備であります。国は、いつでも、どこでも、誰でも高速通信の恩恵を受けられる社会の構築を目指しておりますが、本町はいまだ整備が遅れている状況にあります。情報の格差は、地域行政や民間活動に大きな影響を及ぼしますので、町は光ファイバー網の整備が大きな課題であります。
そうした中、NTT東日本により月夜野局管内の後閑、下牧、上津、月夜野、小川の一部(62局分)において、昨年の11月15日に光ファイバーのサービスが開始され、更に本年3月には師、真庭、政所、下津でサービスが開始されます。それ以外の地域は、一定数以上の利用者の見込みがあれば、エリア拡大が検討されます。そこで、商工会と観光町づくり協会では、早速、「光ファイバー網整備促進委員会」を立ち上げて、光ファイバーによるインターネットサービス「Bフレッツ」の誘致運動を進めております。私達は光ファイバーによって、「在宅健康管理システム」による健康相談や「テレビ電話システム」等の情報サービスを受ける事ができます。
現在、「光ファイバー網整備促進委員会」では、「仮申込書」の取りまとめに奔走されております。その目標数は世帯数の3割ですが、いまだ達成されておりません。仮に、NTT東日本の力を借りずに、町独自で光ファイバー網を整備する事になりますと、20億という莫大な事業費が必要になり、事業化は到底不可能であります。町民皆さんから、より多くの「仮申込書」を提出して頂き、光ファイバー網の整備を進めたいと念願しております。ご協力を心からお願い申し上げます。
教育施設整備計画
行政の第一義は町民の生命・財産を守り、子供達が安全な環境で、学業に励む事のできる教育施設の整備にあります。いうまでもなく、教育は智を磨き、豊かな心を育み、体を鍛え、生きがいを創出し、将来の町の発展に欠くことのできない大事業であります。「人間に心がある限り、人は人によって育てられる」と言われますが、日々の地道な教育活動の積み重ねが、健全な人間を育成し、産業を繁栄させ、文化を育み、魅力ある町づくりに繋がるものと考えます。従って、教育は町づくりの大きな基盤であり、例え財政が苦しくても教育環境の整備は、行政の責任で行うべきであります。まさしく、幕末長岡藩小林虎三郎翁の『米百俵の精神』であります。当面する課題は、校舎等の耐震補強と少子化に伴う学校統合であります。
整備計画の概略は、月夜野地区おいては3小学校の校舎を耐震補強し、桃野小学校の体育館を建設します。水上地区は水上中・水上小・幸知小の統合した小中一貫校を、水上中学校の敷地内に建設します。藤原小・中学校は、併設校にして耐震補強を行います。新治地区は、20年度に統合小学校を開校します。
須川小学校は21年度から、「認定こども園」として活用します。新治中学校は、耐震補強と体育館を建設します。
以上、地区毎の概要を申し上げましたが、策定にあたっての留意点は、各地区の施設整備の平準化と、健全財政を念頭に「財政健全化法」で定める、実質公債比率25%を絶対に超えない事であります。しかし、本町の教育施設の整備は、巨額な財源と長い期間を必要とします。この間には、社会・経済情勢も変る事が予想されますが、常に最良の方向にローリングして、初期の目的が達成できるように心掛ける事が肝要であります。
「先送りの悲劇」という言葉があります。これは戦中・戦後の歴史の中から生まれた言葉であります。一例では「ポツダム宣言の受諾」を先送りした為に、国民に甚大な悲劇と被害を与えた事が思い出されます。今、国政も地方自治も改革の大きなうねりの中にありますが、為政者には先見性と責任が求められ、今為すべき事を先送りしてはならないと痛感しております。
従って「夢のある町づくり」は、これらの事柄から逃避しては実現できず、むしろ喫緊の課題に挑戦する勇気が大事であります。私は例え痛みを伴っても、「結論は明日と言わず今日中に」と言う姿勢で解決に臨み、夢と希望を持って、この一年を頑張ります。宜しくご指導の程、お願い申し上げます。













