みなかみ町長 鈴木和雄
(平成19年11月)
地方交付税の削減で年々市町村財政は逼迫し、住民に身近な福祉・教育、更にはインフラ整備等に支障をきたしております。私は、行政の第一義は町民の生命・財産を守る事であり、併せて時代を担う子供達の教育環境の整備にあると思います。しかしながら、これらの財源となる地方交付税は、慢性的な財源不足(所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税の原資不足)の状態にあった事から、地方交付税特別会計は平成18年度末で53兆円余という膨大な借入金を抱えております。加えて、国では2011年度にプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を至上命題にしており、一層の社会保障費の抑制策と地方交付税の削減が予測されます。
良く「地方の再生なくして、国の再興はない。」と言われますが、地方経済の衰退と相俟ってダブルパンチの様相で地方交付税が削減されては、地域格差は是正どころか益々広がり、再生が不可能になります。国の財政を健全化する構造改革は極めて大事ですが、地方は市町村合併等で改革の嵐の中にあり、この時に、更に過重な地方交付税の削減は地方自治の崩壊に繋がります。過日の新聞では、「関東知事会は地方財源の拡充のために、国に消費税率引き上げの検討を求める緊急提案書を提出する事で合意した。」と報道されました。この提言は地方も増税をタブー視せず、必要な財源は国民に協力を求め、地方の再生を図りたいとする意思表示であると思います。
最早、国も地方も歳出削減だけでは、財政再建が不可能であります。何故ならば、必要な公共投資や行政サービスを縮小するだけでは、地方経済そのものが縮小してしまい、ひいては税の減収に繋がるからであります。従って、地方の再生は税財源の確保が不可欠であり、そのためには削減主義から歳入増(増税)の方向に転換すべきであります。そこで、増税にあたっては広く薄く、しかも偏在の少ない消費税の税率を引き上げるべきであると考えます。また、上げ幅は当然の事として、社会保障費等の増嵩分を考慮しなくてはなりません。
現在は消費税の29.5%が、地方交付税特別会計の一部の原資になっております。そこで、社会保障費等の財源不足を補う消費税率の引き上げに際し、地方の財源として2%を上乗せし、増税分は地方交付税特別会計の原資に充てる事を熱望します。何故ならば、三位一体改革で5兆1,000億円が削減されており、現行の原資の上に2%が加算されますと、現状に即した地方交付税制度が維持されると考えるからであります。
尚、53兆円余の借入金が完済の暁には、地方分権の進捗状況を踏まえて、地方交付税制度の内容や原資のあり方等について検討する事が必要と考えます。
中山間地域の自治体は森・山・川に見るように、計り知れない公益的な機能を果たしております。それだけに、中山間地域の堅実な再生が、国の繁栄に繋がる事を再確認したいものであります。私達は今、行財政の窮状から脱却するために、必死に改革を断行しておりますが、その要は地方交付税特別会計の安定的な運用にあります。そこで私は、この制度の堅実な存続と地方の再生を願って、消費税率の引き上げを求めるものであります。是非とも、現行の地方交付税特別会計に消費税2%分の上乗せを実現し、地方自治体の財政基盤を強化して、住民生活に密着した行政サービスが提供できる事を念願する次第であります。ご理解とご支援を頂ければ幸いです。













